VOICE

2017/06/18

 

「心のすべて」

少年の俺は 

あんたにめいっぱい憧れて… 

あんたと逢えた事だけで幸せで 

あんたがデビューさせて 

あんたからすべて学んで 

あんたの言葉が今も響いて 

あんたを世界で1番信じたのに 

あんたに絶望させられて 

あんたに裏切られ捨てられて 

あんたをめいっぱい怨んで 

あんたを見返してやりたいと本気で思って 

あんたのもとから飛び出して 

あんたに憧れた馬鹿な己を呪って 

この世で1番信じられない人となって 

なのに心のどっかにあんたがいて 

最近同じ言葉を吐く自分に皮肉だなと笑って 

それすら心で踏み潰しぶん殴って 

怨んで愛して絶望して 

それでも 

今の俺の音楽の部分のベーシックは 

価値観も姿勢も方法も 

くやしいけどすべてあなたが作ったもの。 

でかいスタジオでの偉そうな立ち振る舞い 

世界一だった 

本当にカッコよかった。 

19.20.21.22
の頃二人でどれだけ話したろう。 

デビュー前「慎一郎、男はつらいんだぞ。 
俺もこの社長室のドアを開けるたび、自分にスイッチをいれるんだ。 
今日から音楽を一生の仕事と思って毎日やれ。13曲作れ。 
一週間で20曲は持ってこい。それを1年間続けろ。」 
ダメだクソだと罵られ、それでも食い下がって作り続けてデビューが決まった。 

「デビューまでにとにかく痩せろ。ダイエットなんて感覚じゃない、減量しろ。」 

倒れるまで絞った。54キロになった時「もうやめろ。やり過ぎだよ」と言われ 
勝った!と思った。 

デビューして鳴かず飛ばずのクセにやんちゃな俺は、数々の女性問題や(笑) 
レコーディングのボイコット、ラジオや気にくわない仕事に行かなかったり 
迷惑をかけた時あんたに呼び出され、クビだなと思ったその時 
とびきりの笑顔で 

「慎一郎、お前もロッカーになってきたな。優等生なんてならなくてもいい。 
もっとやってもいいぞ?そのかわりもっといい曲も書け。 
それがミュージシャンだよ。それが出来ないなら資格はないよ。 
氷室も森重もお前が好きなアーティストは今のお前よりも 
ずっと熱心に音楽に取り組んでいるんだよ。」 

痺れて涙出たよ。 

そんな言葉の数々が俺を育てたのに。 

裏切られた時は事務所の階段で一人で大泣きしたよ。 

全員が敵となった。 

でもその時、今の鈴木慎一郎の魂が出来上がった。 

ふざけんなよ。進んでやる!潰されたりしねえ!なにくそ。やってやる。 

それだけでそこから10年は走り続けた。 

それから愛や優しさや大きさを得た。 

本当の意味で音楽を愛せる様になった。 

クソ。 

憧れと憎しみがずっと宿り続けてやがる。 

俺はまだまだゆく。 

男前にまっすぐに摩擦したって突き抜ける。 

あんたが見つけてくれた才能をまだ開花しきれえねえからよ。 

悲しいとか切ないとか残念とかそんな感情じゃない。 

俺はやるよ。 

最高な時を歩んでやる。やりまくってやる。 

今支えるファンや、これから出逢うファンに 

これでもか!と最高の音楽を届けまくる。 

それが俺のやり方だ。 

鈴木慎一郎